作成日:2014/08/29
障害者の雇用ルール



障害者の雇用

雇用する上でのルール

 障害者の雇用については次のようなルールがあります。

1.障害者雇用率制度

 

 従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)

 また精神障害者については雇用義務はありませんが、雇用した場合は身体障害者・知的障害者を雇用したものとみなされます。

《障害者の法定雇用率の引き上げ》

 障害者雇用促進法施行令の改正により、法定雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられました(平成25年4月1日より施行)。

 これによって、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員規模56人以上から50人以上となります。

 雇用義務を履行しない事業主に対しては、ハローワークから 行政指導 [142KB] を行います。

 

2.障害者雇用納付金制度

 

 障害者を雇用するためには、作業施設や作業設備の改善、職場環境の整備、特別の雇用管理等が必要となるために、健常者の雇用に比べて一定の経済的負担を伴うことから、障害者を多く雇用している事業主の経済的負担を軽減し、事業主間の負担の公平を図りつつ、障害者雇用の水準を高めることを目的として 「障害者雇用納付金制度」が設けられています。

 具体的には、

  • 法定雇用率を未達成の企業のうち、常用労働者200人超(平成27年4月からは常用労働者100人超)の企業から、障害者雇用納付金が徴収されます。
  • この納付金を元に、法定雇用率を達成している企業に対して、調整金、報奨金を支給します。
  • 障害者を雇い入れる企業が、作業施設・設備の設置等について一時に多額の費用の負担を余儀なくされる場合に、その費用に対し 助成金 を支給します。

 

3.障害者職業生活相談員の選任

 

 障害者を5人以上雇用する事業所では、「障害者職業生活相談員」(※)を選任し、その者に障害のある従業員の職業生活に関する相談・指導を行わせなければなりません。(障害者雇用促進法79条)

(※ 障害者職業生活相談員の資格認定講習 を修了するなどした従業員のうちから選任)

 

4.障害者雇用に関する届出

(1)障害者雇用状況報告

 従業員50人以上の事業主は、毎年6月1日現在の障害者の雇用に関する状況(障害者雇用状況報告)をハローワークに報告する義務があります。(障害者雇用促進法43条第7項)
 毎年報告時期になりますと、ハローワークから従業員50人以上規模の事業所に報告用紙が送付されますので、必要事項を記載の上で7月15日までに返信してください。
電子申請 によって報告することもできます。

(2)解雇届

 障害者を解雇しようとする事業主は、その旨を速やかにハローワークに届け出なければなりません。(障害者雇用促進法81条第1項)

5.障害者の虐待防止

 平成24年10月1日より施行された 「障害者虐待防止法」 においては、障害者を雇用する事業主は、障害者虐待を防止するため、労働者に対する研修(※)の実施、障害者や家族からの苦情処理体制の整備などの措置を講ずることが必要です。(障害者虐待防止法第21条)
 (※)具体的には、障害者の人権、障害者の特性に配慮した接し方や仕事の教え方などに関する、従業員に対する研修です。

 

事業主に望まれること

 各事業所においては、それぞれの事業所の実情に応じて、次のような措置を実施することが望まれています。これらの措置を実施するに当たっては、下記「利用できる支援策」にお示しするような各種支援策を活用できる場合があります。

1.障害者が能力や適性が発揮でき、生きがいを持って働けるような職場作り

 

《障害者のための職場づくりについて望まれること》

  • 障害者の種類や程度に応じた職域の開発。採用試験を行う場合には、応募者の希望を踏まえた点字や拡大文字の活用、手話通訳者等の派遣、試験時間の延長や休憩の付与等、応募者の能力を適切に評価できるような配慮。障害者の適性と能力に考慮した配置
  • 十分な教育訓練期間を設けることや雇用継続が可能となるよう能力向上のための教育訓練の実施
  • 障害者の適性や希望等も勘案した上で、その能力に応じ、キャリア形成にも配慮した適正な処遇
  • 障害の種類や程度に応じた安全管理や健康管理の実施、安全確保のための施設等の整備、職場環境の改善
  • 障害特性を踏まえた相談、指導及び援助(作業工程の見直し、勤務時間・休憩時間への配慮、援助者の配置等)
  • 職場内の意識啓発を通じた、職場全体の障害及び障害者についての理解や認識を深めること

 

利用できる支援策

1.障害者雇用に関する相談・支援

(1) ハローワーク

 ハローワークでは、障害者を対象とした求人の申込みを受け付けています。専門の職員・相談員が就職を希望する障害者にきめ細かな職業相談を行い、就職した後は業務に適応できるよう職場定着指導も行っています。
 その他、障害者を雇用する事業主や雇用しようとしている事業主に、雇用管理上の配慮などについての助言や、必要に応じて地域障害者職業センターなどの専門機関の紹介、各種助成金の案内を行っています。また、求人者・求職者が一堂に会する就職面接会も開催しています。

(2) (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構による支援

 

  1. [1] 地域障害者職業センター等による支援

    お問い合わせ先 : 同機構の 地域障害者職業センター

    • 雇用管理に関する専門的な助言・援助
      障害者の雇用に関する事業主のニーズや雇用管理上の課題を分析し、「事業主支援計画」を作成するなど、雇用管理に関する専門的な助言・援助を無料で受けることができます。
    • ジョブコーチ(職場適応援助者)による支援
      障害者の職場適応を容易にするため、職場にジョブコーチの派遣を受けて、障害者に対する業務遂行能力やコミュニケーション能力の向上支援、事業主や同僚などに対する職務や職場環境の改善の助言等を無料で受けることができます。
      ※ジョブコーチによる支援は、地域障害者職業センターのほか、福祉施設等でも行われます。
    • 精神障害者総合雇用支援
      精神障害のある方を雇用している(雇用しようとする)事業主は、主治医との連携のもとで、雇用促進・職場復帰・雇用継続のための専門的な支援を無料で受けることができます。
      • 精神障害者総合雇用支援の具体的内容
        精神障害者総合雇用支援には、雇用前の「雇用促進支援」、休職者の職場復帰のための「職場復帰支援(リワーク支援)」、働き続けるための「雇用継続支援」の3種類があります。
        そのうち特に、「職場復帰支援(リワーク支援)」 については、主治医などとの連携の下、職場復帰に向けたコーディネート、生活リズムの立て直し、リハビリ出勤による復職前のウォーミングアップ、職場での受入体制の整備などの支援が行われます。
    • 雇用管理サポート事業
      医学、工学、労務管理等の専門家による、障害者雇用に関するより高度で専門的なアドバイスや支援を無料で受けることができます。
    • 障害者職業生活相談員資格認定講習
  2. [2] 中央障害者雇用情報センターによる支援
  3. [3]障害者雇用の各種情報の提供

 

2.障害者の在宅就業支援

 障害者の在宅就業支援に関する情報を提供しています。

3.障害者雇用に関する助成金

(1)障害者の雇い入れ等を支援する助成金

(2)障害者が働き続けられるよう支援する助成金

4.障害者雇用に係る税制の優遇措置

 

 障害者を雇用する企業所に対しては、税制上の優遇措置が適用されます。

  • 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度
  • 障害者の「働く場」に対する発注促進税制
  • 心身障害者を多数雇用する事業主に係る不動産取得税・固定資産税の課税の特例
  • 心身障害者を多数雇用する事業所に係る事業所税の特例

 

障害者雇用施策全般



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